すばらしい本です。天才数学者の岡潔と、批評家の小林秀雄の対談というか雑談。 天才同士の会話というのは、示唆に富んでいてとても楽しい。本当に頭が良い人というのはすごく分かりやすく話をするんですよね。
数学者が「理性や知性は情緒を凌駕できない」ということを言っていたのが印象的でした。論理的には完璧な証明でも、数学者達の感情的な同意が得られなければ証明として成り立たない、と。 自分の仕事にも通じるものがあるなぁと思いました。 最終的に人を動かし世界を変えるのは、完璧な論理ではなく情緒なのだと。 つまり、人の心なんですよね。 分かり切ったことだけれど、改めて納得。